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理念

理念

わたしたちのめざすもの2016

(1)「わたしたちのめざすもの」を見直し、新しい時代に合った内容を

 

 ときわ会の基本理念となる現在の「わたしたちのめざすもの」は、1991年に策定した「跳べ!ときわ会21 社会福祉法人ときわ会の将来構想」に記されているものです。ここでは「障害のある人を権利主体とすること」や「市民の共同の事業である」という視点などが述べられていますが、それらは現在につながる重要な理念として、また今後も継承すべき内容として決して色あせるものではありません。

 わたしたちはそうした文言に、時代を超えた優位性があることをあらためて確認しつつも、現代の社会状況にふさわしい内容を盛り込んでいくことや地域との連携について、また歴史や位置づけについても文章化する必要性があると考えます。既存文書の大なる存在感が議論の奔放な広がりを自然と押さえるものとなる面は否めないかもしれません。しかしその中においても、障害のある人が生きていくための要求に心を寄せ、要求実現を権利ととらえていく基本的な姿勢が将来に引き継がれていくものであることを共有したいと思います。

 策定の過程では、主体である利用者にも届く文書をつくろうということにもなりました。ふりがなの使用だけではなく、内容の理解をすすめるためにあらためて「わかりやすい版」の策定をしました。これをとおして利用者とも将来構想について対話を行っていくことも、課題として求められています。

   

(2)わたしたちのめざすもの2016

 

 少し前、日本には重い知的障害や肢体障害があることを理由に学校へ行けない時代がありました。学校へ行くことができた人でも、卒業後はまた行くところがなく、家の中だけで過ごさなくてはなりませんでした。また、精神障害のある人たちの中には、偏見にさらされ何十年にもわたる長期の入院を強いられてきた人たちが数多くいました。そのようななか、1973年「障害者の権利を守り、生活の向上をめざす小平の会」が結成され、わたしたちは「障害があっても外に出たい。働きたい」という願いを実現するためにあさやけ作業所を作りました。以来、それに続くいくつもの作業所、暮らしの場、そして交流や相談ができる場へと地域の中で拠点をひろげてきました。これらは、障害があっても地域でふつうに生きていくという権利を実現する道のりでもありました

 わたしたちは「社会福祉法人ときわ会中長期構想2016」を策定するにあたり、基本理念を尊重し、さらに充実させていけるよう以下のことをめざしていきます。

 

・ 障害(しょうがい)のある人一人ひとりの個別性(こべつせい)尊重(そんちょう)要求(ようきゅう)実現(じつげん)向けて()とりくんでいきます。

・ 就労(しゅうろう)(きょじゅう)社会(しゃかい)参加()など多面的(ためんてき)要求(ようきゅう)具体的(ぐたいてき)実現(じつげん)をめざしていきます。

・ 障害(しょうがい)のある(ひと)家族(かぞく)職員(しょくいん)関係者(かんけいしゃ)市民共同(きょうどう)事業(じぎょう)としてとりくんでいきます。

・ 権利(けんり)保障()目的(もくてき)とした事業(じぎょう)活動(かつどう)行う(おこな)一方(公的こうてき責任せきにん追及ついきゅうしていきます。

・ ときわ会の事業(じぎょう)運動(うんどう)が、地域(ちいき)多様(たよう)人々(ひとびと)の暮らしやすさにつながるようとりくんでいきます。

・ 職員(しょくいん)は、事業(じぎょう)運動(うんどう)中心的(ちゅうしんてき)担い不断(ふだん)の研究に努め(つと )関係者()市民(しみん)と広く連携(れんけい)をしていきます。

 

 

わたしたちのめざすもの

わたしたちは、地域の障害がある人の働く権利、文化的に生活する権利、社会活動に参加する権利を守り、さらにこれを創造的に発展させていくことを目的にさまざまな事業や活動を推進してきました。 とくに、わが国の成人期障害者対策は、障害の種別ごとにおおきな格差があり、また障害の重い人々への対応などの面でも大きく立ち遅れていますが、こうした制度上の矛盾に立ち向かってきました。

 

さらに事業や活動の推進にあたっては、障害者の要求をもとに、法人理事会、父母、職員が知恵をだしあい、関係者、地域、市民を含めた共同の事業としてこれをすすめています。

 

1974年6月、あさやけ作業所を開設して以来、この37年間で、作業所6カ所、共同ホーム4カ所、地域生活支援センター1カ所を設置・運営するに至っています。これらは障害の重い人々、知的障害、肢体障害、精神障害など、さまざまな障害がある人の働く場や生活の場、仲間づくりの場として、大きな役割を果たしつつあります。 加えて、地域の障害者の生活を支える事業として、関係者と手を携えながら障害者のショートステイ事業、障害児の学童保育、ソーシャルクラブなどの事業・活動にも力をいれてきました。

 

しかし、地域の障害者の生活実態からすれば、まだまだ援助のための手立ては不十分であり、関係者が団結していっそう発展させていかなけれはなりません。 

 

わたしたちは、社会福祉法人ときわ会の将来構想を策定するにあたり、これまで大切にしてきた基本的な理念を踏襲し更に発展させたいと考えています。それは、次の7項目にまとめられます。

 

  1. 障害者一人ひとりの障害や生活の実態に視点をあて、その要求に応えていくために全力をつくしていきます。
     
  2. 地域で生活を支えていくために、就労の保障に加えて、生活や社会教育など障害者にかかわる総合的な分野の保障を追求していきます。
     
  3. 障害者の願いを中心に、家族、職員、関係者による共同の事業として 推進していきます。
     
  4. 職員を中心に、ときわ会関係者一人ひとりが不断に学習・研究をおこたらず、実践面・運営面・運動面にわたって総合的な力を高めていきます。
     
  5. 絶えず、公的な責任を追求していく姿勢を持ち、一方で権利の内実を保障していく努力を続けていきます。
     
  6. それぞれの事業(活動)が地域の障害者の権利擁護運動の拠点として の機能を発揮していきます。
     
  7. 各地の共同作業所づくり運動など地域生活を支援する事業・運動と連 携し、これらの運動の推進に積極的な役割を果たしていきます。